身の回りに良いことが起き始める!成功法則!

あなたはとても大切な、重要な人です!もっともっと成功してほしい!

ビジネスマンのための「行動観察」入門(松波晴人著/講談社現代新書)

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

新品価格
¥798から
(2014/3/8 06:09時点)


<この本から学べること>
「行動観察」の有効性、「行動観察」のやり方を具体的な事例とともに学べます。
(観察・分析・改善をする時に活用できる心理法も学ことができます。


<ビジネスマン八岳次郎の勝手にオススメ度数>
・サラリーマンへのオススメ度数 【★★★★★】
・独立起業家へのオススメ度数  【★★★★★】

<著者>(本書より引用)
大阪ガス行動観察研究所所長。株式会社エルネット技術顧問。経済産業省サービス工学推進委員会委員。1966年、大阪生まれ。神戸大学工学部環境計画学科卒業。同大学大学院工学研究科修士課程修了。大阪ガス入社後基盤研究所にて、生理心理学、人間工学の研究活動に従事。米コーネル大学大学院にて修士号取得後、和歌山大学にて博士号を取得。2005年より行動観察ビジネスを開始。2009年に大阪ガス行動観察研究所を設立し、所長に就任。

<本書内容概略>
本書は、「行動観察」について、述べた本です。
そもそも、行動観察とは何でしょうか?
行動観察とは、観察者が実際の現場に入って、対象となる人間の行動をつぶさに観察、分析し、問題解決の提案をする手法のことです。

そして、著者は、この行動観察の有効性について述べています。
・顧客のニーズに応えて他社との差別化を図るような「付加価値の提供
・店舗や工場などの現場における効率化につながる「生産性の向上

ところで、顧客のニーズを見つけると言えば、アンケートやインタビューが従来から活用されている方法ですが、なぜ、行動観察なのでしょうか?

2つ理由が述べられています。
・言葉にされない人間の無意識のニーズを抽出できる
・社会通念によるバイアスを排除できる

まず1つ目の「言葉にされない人間の無意識のニーズ抽出できる」です。
これは、ほとんどの人間の行動は、自分自身で把握していない、無意識に行っているという考え方に基づいています。
行動している人自身が意識していない以上、それを、アンケートやインタビューで、言葉にすることはできません。
だから、その行動の観察が有効という訳です。

2つ目の「社会通念によるバイアスを排除できる」です。
これは、アンケートやインタビューを実施すると、人間は社会的に「こうあるべき」という思考が働き、心の中の本当のニーズを引き出すことは難しいというものです。
「トイレで手を洗いますか?」と質問されたら、洗わない人でも、「洗います」と答えてしまいます。

つまり、行動観察であれば、無意識に行っている行動を第三者が観察することになるので、これらの問題を解決できるわけです。

ただ、ここで言っている行動観察は、単に行動を見ることにとどまりません。
あたかも、シャロックホームズが事件を推理をするかのように、相手の心に共感するレベルまで深く観察することを意味しています。
詳しくは、本書を読んでみて下さい。

このように、顧客の潜在ニーズを探り出すのに有効な行動観察ですが、本書の中では、実際の活用事例を、工場、店舗、書店、銭湯、営業現場など、実際に著者が調査した事例に基づいていて、とても判り易く解説しています。

「顧客の潜在的なニーズを探りだしヒット商品を作りたい!」「店舗の売り上げを上げたい!」「工場での生産性を高めたい!」このような業務課題解決に悪戦苦闘している方、是非ともこの本を手にとって頂きたいと思います。

<ビジネスマン八岳次郎の感想>
先日の日経新聞に、トヨタ自動車に関する記事が載っていました。
トヨタは今季、リーマンショックからの大きな赤字を脱して、売上、営業利益とも最大の業績をたたき出そうとしていますが、その恩恵を関係する部品メーカーにも享受してもらい、部品メーカーの体力も向上させる計画がある」というものでした。

具体的には、毎年実施している年間1~1.5%程度の部品原価の低減依頼を、次年度は部品メーカーに対して実施しないという内容でした。
トヨタの懐の深さを感じたのですが、それとともに、トヨタは部品メーカーに対して、毎年1~1.5%もの部品コスト削減を要望し、それを部品メーカーは生産性の向上、つまり「ムダの削除」によって、その原資を稼ぎ出しているということを、改めて認識しました。

あのトヨタのことです。契約時点で、相当の原価を下げた価格で契約を結んでいるはずです。にもかかわらず、毎年1~1.5%もの部品コスト削減を要望している。並大抵でない、製造現場の厳しいコスト削減活動を想像することができました。

他の企業より、高い成果を出しているトヨタの関連部品メーカーでさえ、毎年それだけのムダ改善しているのです。他の企業には、もっと多くのムダが存在するに違いありません。

そして、この本に紹介されている行動観察こそが、工場のムダの排除にも活用できるのではないでしょうか?
是非参考にしてみて下さい。

ではでは。